若いころの私が絶対に気づけなかった「当たり前」の話


テーマ : 自分デザイン  6.コミュニケーション  

相手の立場になって考えることの本当の意味


車を運転している時や、道を歩いている時。目の前の横断歩道を、年配の方がゆっくり歩いていることがあります。

その歩く速度は、自分が思っているよりもずっと遅く感じるかもしれません。

そんな時、あなたはどんなことを思うでしょうか。

「遅いなぁ」
「もう少し早く歩けないのかな」
「急いでいるのに、なかなか進まないな」

正直に言うと、若いころの私は、心の中でそう思ってしまうことがありました。

もちろん、口に出すわけではありません。でも、心のどこかで相手の遅さにイライラしていたのです。

今振り返ると、それは目の前の出来事だけを見て、相手の背景をまったく想像できていなかったのだと思います。

若いころは、歩く速度が遅くなる感覚が分からなかった


若いころは、自分の体が思うように動くことを当たり前だと思っていました。

歩きたい時に歩ける。
急ぎたい時に急げる。
階段も普通に上れる。
重い荷物を持っても、多少無理がきく。

そういう状態が当たり前だったので、年齢を重ねて体が思うように動かなくなる感覚を、きちんと想像できていませんでした。

だから、横断歩道をゆっくり歩く年配の方を見た時に、表面的な「遅い」という部分だけに反応してしまっていたのです。

でも・・・

誰しも歳を取ります。
歳を重ねれば、体力は落ちます。
足腰も弱くなります。
視界が狭くなったり、転ばないように慎重に歩いたりすることもあります。

歩く速度がゆっくりになるのは、決して怠けているからではありません。その人なりに、一歩ずつ一生懸命歩いているのです。

自分もいつか同じ立場になる


今は普通に歩けていても、自分も年齢を重ねれば、いつか同じように歩く速度は遅くなります。

若い時には簡単にできたことが、少しずつ難しくなっていきます。
自分の思い通りに体が動かなくなることもあります。

そう考えると、目の前の年配の方の姿は、未来の自分の姿でもあるのかもしれません。そう思えるようになってから、私は少しずつ見方が変わりました。

横断歩道をゆっくり歩いている人を見ても、以前のように「遅い」と思うのではなく、「あせらず安全に渡ってほしい」と感じるようになりました。

これは、単に年配の方に対する見方だけの話ではありません。

人間関係全般において、とても大切なことだと思っています。

✅ 自分には見えていない事情があるかもしれない
✅ 相手なりに精一杯やっているのかもしれない
✅ いつか自分も同じ立場になるかもしれない

このように考えるだけで、相手への感じ方は大きく変わります。

表面的な行動だけで判断すると、イライラが増えてしまう


私たちは、つい目に見える行動だけで相手を判断してしまいます。

返事が遅い。
作業が遅い。
動きが遅い。
言い方がきつい。
思った通りに動いてくれない。

そうした表面的な出来事だけを見ると、イライラが生まれやすくなります。

仕事でも家庭でも、相手の考え方や行動に違和感を覚えることはあります。

「なぜ、そうするのだろう」
「どうして、分かってくれないのだろう」
「もっと、こうしてくれればいいのに」

そう感じることもあると思います。

でも、その時に一度立ち止まって考えてみることが大切です。

その事象の奥側にあるものは何か?

この問いを持つだけで、見え方が変わることがあります。

相手の奥側には、見えていない事情がある


人の行動には、たいてい何かしらの背景があります。

例えば、返事が遅い人がいたとします。表面だけを見れば、「返信が遅い人」「いい加減な人」と感じるかもしれません。

でも、その人は今、仕事に追われているのかもしれません。
家族のことで手いっぱいなのかもしれません。
体調が悪いのかもしれません。
心に余裕がなく、すぐに返事をする力が残っていないのかもしれません。

もちろん、だからといって何でも許さなければいけないという意味ではありません。

約束を守ることや、必要な連絡をすることは大切です。ただ、相手の行動の奥側にある事情を想像できるかどうかで、自分の心の反応は変わります。

すぐに責めるのではなく、一度背景を考えてみる。それだけでも、人間関係の摩擦は少しやわらぐと思います。

相手の立場になるとは、想像する力を持つこと


よく「相手の立場になって考えましょう」と言われます。でも、これは簡単なようで、とても難しいことです。

なぜなら、私たちはどうしても自分の感覚を基準にして物事を見てしまうからです。

自分なら、早く歩ける。
自分なら、すぐ返事できる。
自分なら、もっと要領よくできる。

そう思ってしまうと、相手の遅さや不器用さにイライラしやすくなります。

しかし・・・

相手には相手の体力があります。
相手には相手の事情があります。
相手には相手の不安や悩み、背景があります。

相手の立場になるとは、自分の基準を一度横に置いて、相手の背景を想像してみることなのだと思います。

心の余裕があると、見える景色が変わる


相手の背景を想像するには、心の余裕も必要です。自分が疲れている時や、時間に追われている時は、どうしても視野が狭くなります。

横断歩道をゆっくり渡る人に対しても、仕事で返事が遅い人に対しても、ついイライラしてしまいます。

だからこそ、相手を思いやるためには、自分の心の状態にも気づく必要があります。

今、自分は急いでいるのか。
疲れているのか。
余裕がなくなっているのか。

そのことに気づけるだけでも、反応は少し変わります。

✅ すぐに判断せず、一度立ち止まる
✅ 相手の背景を想像してみる
✅ 自分の心の余裕にも気づく

この小さな意識が、人間関係の受け止め方を変えてくれます。

表面ではなく、その奥側を見る習慣を持つ


横断歩道をゆっくり歩く年配の方を見た時、私は今でも自分に言い聞かせることがあります。

この人にも、この人なりの事情がある。
今の自分には分からない不安や大変さがあるかもしれない。
そしていつか、自分も同じように誰かに待ってもらう立場になるかもしれない。

そう考えると、自然と気持ちは穏やかになります。

人間関係でも同じです。表面的な言動だけを見てすぐに判断するのではなく、その奥側にあるものを想像してみる。

相手の事情、体調、年齢、経験、不安、置かれている状況。

そうしたものに少しだけ思いを向ける。それだけで、相手への接し方はやわらかくなります。

すべてを理解することはできなくてもいいと思います。ただ、「自分には見えていない背景があるかもしれない」と考えること。

その姿勢が、思いやりのある人間関係を作るための第一歩になるのだと思います。

私もこれから、目の前の出来事だけに反応するのではなく、その奥側にあるものを想像できる人でありたい。

そんな心の余裕を持てるように、日々、自分自身と向き合っていきたいと思っています。

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