部下がいつも言い訳して自分の言うことを聞きません
テーマ : 自己管理講座 6.コミュニケーション
質問内容
部下に指示をしても言うことを聞きません。仕事でミスをした時、部下に状況を確認すると、自分の事を棚に上げて「でも・・・」と言い訳ばかりしてきます。
自分の思い通りに動かない部下に手を焼いています。
部下を否定しているから、部下は言うことを聞かない
「なぜ、いつも部下は上司の言うことを聞かず、言い訳してくるのでしょうか?」
それは、上司が部下を否定してしまっているからです。
「えっ!否定なんかしていませんよ!今までの私の経験から、ベストな方法を言っているだけですよ!」
私たちは、いつも自分が正しいと思って行動していますから、それを否定されると、相手に対して拒否反応を示します。
部下はこうしたい。でも、上司は別の方法でやれと言う。
上司は当然、部下を否定しているつもりありません。上司が考えるベストな方法を教えているのです。しかし、部下は自分のやり方を否定されているように感じてしまうのです。
人は自分でコントロールできる領域が狭くなってしまうと、ストレスをためてしまう傾向があります。
そのストレスが感情となって表れてきます。だから、上司が「こうしなさい」と言っても、部下は反発して言い訳してくるのです。
部下の立場になって考えてみる
自分の思い通りに行かない時は、逆の立場になって考えてみると、なぜ自分の思い通りに行かないのか、分かることがあります。
私たちはどうしても、自分の立場で物事を考えてしまいますので、相手が何に困っているのか、何に悩んでいるのか分からなくなります。
「もし、あなたが部下の立場だったらどうでしょうか?」
自分は【Aの方法】で仕事をしたいと考えている。しかし上司は【Bの方法】で仕事をしろと言う。
自分は【Aの方法】が良いと思っているのに、上司は自分の意見を聞かずに【Bの方法】を押し付けてくる。
この状況が続いたら、反発しませんか?
「少しは自分の考えを尊重して、【Aの方法】でやらせてくれても良いのでは?」そう思うはずです。
部下にいつも言い訳されて反発されるから、上司は権力をもって強制的に【Bの方法】でやらせる。これでは、いつまでたっても、部下が言うことを聞くはずがありません。
まずは、部下にやらせてみることが大切
では、どう改善していくか?それは、【まず、やらせてみる】です。
業務の内容、重要度によって慎重に判断しなければなりませんが、大きな問題がないのであれば、部下の考えを受け入れて、部下の思い通りにやらせてみます。
ただ、大きいトラブルになる可能性もありますので、注意深く業務を見ていく必要があります。
うまく行けば、今までとは違う方法で成果を上げているわけですから、部下をきちんと評価します。
もし間違っていれば、「なぜ間違っていたのか?」「上司が言ったやり方がなぜ正しいのか?」これをきちんと説明して、上司の言ったやり方で、今後はやってもらうようにします。
そのほうが、部下も納得した上で、仕事をすることができます。
部下が主張するやり方でやったら、間違ってしまった。「ほら!言ってみたことか!」と思うかもしれません。
しかし、正しい・間違っているは別にして、部下の考えたやり方で、やらせてみることが大切なのです。
部下が成長するチャンス
「よし、分かった。あなたの考えている方法でやってみなさい。」と勇気を持って伝えるのです。
部下が成長するチャンスです。
一方、上司のやり方で、いつも仕事をやらせてしまうと、部下は自分から考えることをしなくなります。
「とりあえず、上司の言うことだけをやっていればいいや。そうすれば、文句も言われないし・・・」
いわゆる、指示待ち族になってしまいます。
確かに、上司のやり方でやってもらったほうが、間違いもないし、早く仕事が完了するかもしれません。
でも、【まず、やらせてみる】のです。
一見、遠回りのような気がしますが、お互いの意思疎通もできて、信頼関係も生まれます。そして、部下に積極性が生まれ、成長も加速します。
長い目で見たら、この方法がお互いのためになります。
解決のポイント
1.部下のやりたい方法で仕事をやらせてみる
2.ミスが発生しやすくなるので進捗管理を十分に行うようする
3.小さいミスの段階ですぐに軌道修正できるように準備しておく