プロフィール
手帳は「続かない」ものだと思っていました
今でこそ「手帳リフィル工房」を運営し、多くの方に手帳リフィルをお届けしていますが、私は最初から手帳が得意だったわけではありません。
むしろ、その真逆でした。
- 新しい手帳を買っては、数ヶ月で書かなくなる
- 綺麗に書こうとして緊張し、一度の書き損じでやる気をなくす
- 書いても書かなくても、毎日は何も変わらない
- 年末には「また今年も続けられなかった」と自己嫌悪に陥る
長い間、私は「手帳迷子」でした。
本屋に並ぶ手帳特集を見ては「今度こそ」と期待し、しばらくしては「やっぱり自分には無理だ」と挫折する。その繰り返しでした。
それでも私が手帳を手放さなかったのは、手帳は単なる「予定を書くメモ帳」ではなく、「手帳には、人生を変える力があるはずだ」と信じていたからです。
自分の頭の中にある思考やモヤモヤ、そして未来への希望を書き出すことで、自分自身を整えてくれる道具になり得るはずだ・・・と。
ここでは、そんな私がどのようにして「自分だけの手帳」という答えに、たどり着いたのか。
そして、どのようにして手帳リフィル工房を始め、「日付自動入力リフィル」を作ったのか。
その試行錯誤の歴史をありのままにお話しします。
もしあなたが今、手帳が続かずに悩んでいるのなら、この話の中にヒントが見つかるかもしれません。
市販の手帳に期待しては、裏切られる日々
私の手帳遍歴のスタートは、多くの人と同じように「市販の綴じ手帳」からでした。
毎年10月頃になると、書店や文具店には色とりどりの手帳が並びます。その光景を見るだけで、胸が高鳴りました。
「今年はバーチカルタイプで、時間をきっちり管理しよう」
「いや、1日1ページタイプで、日記もアイデアもしっかり書こう」
「やっぱり薄くて軽いウィークリータイプで、スマートに持ち歩くのがいいかな」
新しい手帳を開く瞬間のワクワク感は、何度味わってもいいものです。
1月のページに丁寧に予定を書き込むときは、「今年こそ、使いこなすぞ!」という期待でいっぱいでした。
しかし、現実は違いました。
実際に使い始めると、必ず手帳のフォーマットが生活に合わなくなるのです。
仕事が忙しい繁忙期には、書き込むスペースが全然足りなくてイライラする。
会議の議事録を書きたいのに、小さな枠には収まりきらない。
逆に、何もない日が続くと、空白のページが増えていく。
徐々に手帳を開くのが億劫になりました。
そして、忙しい時ほど「タスク」や「ふと思いついたアイデア」のメモが、手帳の隅っこや、その辺にあった裏紙、別のノートに散乱し始めます。
「あれ、あの件どこに書いたっけ?」
情報を探す時間が増え、結局手帳は「カレンダー代わり」になってしまいました。
「手帳を書くことが目的化して、手帳に振り回されている」
そんな状態でした。
しかし、いくつもの手帳を渡り歩き、何冊もの使わなくなった手帳を積み上げた末に、私はある1つの事実に気づきました。
それは、「手帳が続かないのは、私の意志が弱いからではない」ということです。
本当の原因は、「既製品のフォーマットが、私の生活に合っていないから」でした。
市販の手帳は、多くの人に売るために「平均的な人」を想定して作られています。しかし、私の生活リズムは平均的ではなかったのです。
この気づきが、私の手帳に対する考え方を「自分に合うものを探す」から「自分に合わせて作る」へと変える転換点となりました。
システム手帳への憧れと、見えた限界
「市販の綴じ手帳が合わないなら、中身を入れ替えられるものがいい」
そう考えた私が、次に選んだのは「システム手帳」でした。
バインダーのリングを開き、必要なリフィルだけを挟み、不要なページは外せる。ページの順番も自由に変えられる。この自由度の高さこそが、私の求めていた答えだと思いました。
「これなら、自分の生活に合わせて調整できるはずだ」
確かに、システム手帳は便利でした。
しかし、使い込むほどに、また別の壁にぶつかります。
それは、「市販リフィルの選択肢が、意外と少ない」という現実でした。
文具店に行けば、リフィル売り場にはたくさんの商品が並んでいます。
しかし、よく見るとそのほとんどは「罫線メモ」か「無地」、あるいは「標準的なスケジュール」ばかりです。
- 「ここの罫線、もう少し太ければ書きやすいのに」
- 「この時間軸、朝4時から始まっていれば朝活の記録ができるのに」
- 「ToDoリストとスケジュールが横並びになっていれば便利なのに」
- 「もっと目標管理に特化したページが欲しいのに」
自分なりのこだわりや使い方が定まってくるほど、リフィルの細部への不満が増えていきます。
「差し替え自由」という機能はあっても、肝心の中身が自分の生活にフィットしなければ、その自由度は活かせない。
結局、綴じ手帳の頃と大きく変わらない状態が続きました。
さらに、システム手帳特有の「重さ」や「リングが手に当たって書きにくい」といった問題も重なり、「既製品の中から選ぶだけでは、最後まで自分にはフィットしない」という結論に至りました。
A5サイズとの出会い―すべてが1冊に収まった転機
試行錯誤を続ける中で、私の手帳スタイルが大きく変わったのが、A5サイズとの出会いでした。それまでは、持ち運びやすさを重視してバイブルサイズを使っていました。
しかし、思い切ってA5サイズ(A4の半分)を使い始めて、世界が変わりました。
A5サイズは、「情報量」と「携帯性」のバランスが絶妙だったのです。
手帳が続かない大きな原因の1つに、「情報の分散」があります。
予定はスマホのカレンダー、その日のタスクはパソコンのモニターに貼った付箋、会議のメモはB5ノート、そして将来の夢や振り返りは頭の中・・・
これでは、自分の全体像を把握することは不可能です。
A5サイズであれば、十分な筆記スペースがあります。スケジュール、タスク、詳細なメモを余裕を持って書き込むことができます。
さらに決定的なのが、「A4の資料を二つ折りにして挟める」という点です。
仕事の資料、学校のプリント、ネットで見つけた記事の印刷などを、穴を開けて手帳に綴じることができます。
「この1冊さえあれば、仕事もプライベートもすべて分かる」
この安心感は絶大でした。
予定もアイデアも全て一箇所に集めた時、手帳は単なる「スケジュールの備忘録」を超え、行き詰まった思考を整理し、共に現状を打破してくれる「最強のパートナー」へと生まれ変わったのです。
忙しくてパニックになりそうな時も、手帳を開けば現状がわかる。迷った時も、手帳を見れば判断できる。
この時初めて、手帳が私を支える道具になり始めたのです。
Excel自作へ―手帳が「完成品」から「育てる道具」へ
A5サイズで情報を1箇所に集めることには成功しましたが、「リフィルの中身が合わない」という問題は解決していませんでした。
そこで私は、ついに「Excelでのリフィル自作」に挑戦します。
市販のリフィルを探し回る時間があるなら、自分で作ったほうが早い。そう気づいてパソコンを開き、Excelで簡単な線を引いてみました。
最初は不格好なものでしたが、自分のためだけに作ったリフィルには、既製品にはない満足感がありました。
- 「行の高さを少し広げよう。これで大きめの文字でもストレスなく書ける」
- 「時間軸を自分の生活リズムに合わせて、朝4時から夜22時までに書き換えよう」
- 「家族の予定を書けるスペースを作ろう」
- 「仕事とプライベートのToDo欄を別々にしよう」
自分で作ったリフィルを印刷してバインダーに挟んだとき、衝撃が走りました。
「これだ!これが欲しかったんだ!」
今まで感じていた小さなストレスが消え、手帳にスラスラと書けるようになったのです。
自作リフィルには、大きなメリットがあります。それは、「今の自分」に合わせて常に変更できることです。
仕事の内容が変われば、手帳の項目を変えればいい。ライフステージが変われば、ページ構成を組み替えればいい。
手帳は、買って終わりの「完成品」ではありません。自分の成長や変化に合わせて、共に進化し、育てていく「道具」なのです。
この発見が、「手帳リフィル工房」の原点となりました。
最大の弱点を克服した「日付自動入力リフィル」の開発
Excelでの自作は快適でしたが、1つだけ、どうしても乗り越えなければならない問題がありました。
それは、「日付を入れるのが面倒くさい」という問題です。
完全にオリジナルのリフィルを作ると、当然ながら日付は空欄です。使うたびに手書きで日付を書き込むか、Excel上で数字を入力して、365日分(あるいは52週分)のシートを作る必要があります。
これは途方もない作業です。
「自作は最高だけど、この日付入力の手間だけはどうにもならない」
そう思っていたある日、私はExcelの「マクロ(VBA)」という機能に目をつけました。
「もし、ExcelのVBAを使って、自動的にカレンダーの日付や曜日、祝日まで入力できるような仕組みが作れたら?」
試行錯誤の末に完成したのが、現在の「手帳リフィル工房」の看板商品となっている「日付自動入力リフィル」です。
これは画期的でした。
マンスリーリフィルなら、Excelを開いてリフィル制作ボタンを押すだけで一瞬にして1年分のリフィルが出来上がるのです。
これにより、自作リフィルの最大の弱点だった「準備の手間」がゼロになりました。
「市販の手帳のような美しさと利便性」
×
「自作手帳のような自由度」
×
「自作手帳のような自由度」
この2つを両立させたことで、私の手帳ライフは完全にストレスフリーなものへと変わりました。
A5とバイブルの間で揺れた時期―「目的で選ぶ」へ
手帳リフィルの自作環境が整ってからも、迷いがなかったわけではありません。一時期は、A5サイズとバイブルサイズの間で揺れ動いたこともありました。
「やっぱり毎日持ち歩くなら、小さいバイブルサイズの方がスマートではないか?」
そう考えて移行してみたこともあります。しかし、結局はA5に戻ってきました。
私にとって重要だったのは、「スマートに見えること」よりも、「思考を書き出し、情報を1箇所に集めること」だったからです。
この経験から、「手帳選びに正解はない。あるのは自分が何をしたいのかという『目的』が一番大切」ということを学びました。
持ち運びを最優先するなら小さくてもいい。でも、人生を見渡し、深く考えたいなら、相応の広さが必要になる。
「今、自分は何をやりたいのか?」
この目的が定まれば、選ぶべき道具はおのずと決まります。手帳はファッションではなく、人生を前に進めるための道具なのです。
「自分デザイン実践講座」の誕生-メソッドの体系化
こうして私は、試行錯誤の末に「自分専用の手帳」を手に入れました。
その結果、仕事の処理速度は劇的に上がり、長年描いていた目標も次々とクリアできるようになったのです。
しかし、そこで私はある重要な事実に気づきました。
私はこれまで、必死になって「完璧なリフィル」を作ろうとしていました。
しかし、本当に私の人生を変えた要因は、リフィルそのものではなく、その道具を使う際の「考え方の変化」にあったのです。
例えるなら、どんなに高性能なスポーツカーを手に入れても、ドライバーの運転技術が未熟で、エンジンが故障しており、目的地も決まっていなければ、車はまったく動かないか、暴走してしまうだけです。
どれだけ優れたリフィルがあっても、そこに書き込む「技術・心理・哲学」が揃っていなければ、人生は決して変わらないことに気づいたのです。
「道具だけでは不十分だ。その背後にある『考え方』ごと伝えなければ意味がない」
そこで私は、自分が無意識に行っていた思考のプロセスを言語化し、系統立てて、誰もが実践できる「3つの要素」として整理しました。
1. スキル(技術)―夢を現実に変える具体的な方法
「こうなりたい」という想いを、ただの妄想で終わらせないための具体的なテクニックです。「時間管理」や「目標達成」の方法を使い、漠然とした夢を期限と数値のある「タスク」へと分解します。
精神論ではなく、「どうすれば時間が生まれるか?」「壁にぶつかったらどう解決するか?」という具体的な方法を身につけることで、理想を現実へと着実に変えていきます。
2. メンタリティ(心理)―どんな困難も乗り越える強さ
どれほど完璧な計画があっても、行動するのは人間です。恐怖や不安で足が止まっては意味がありません。
ここでは「モチベーション」や「メンタルヘルス」の技術を学び、失敗を「ただのデータ」として冷静に処理できる強さを養います。感情に振り回されず、逆境さえも成長の糧に変えて進み続ける、しなやかで強い心を作ります。
3. フィロソフィ(哲学)―人生の迷いを消し去る軸
そもそも、あなたはどこへ向かいたいのでしょうか? 目的地が間違っていれば、どれだけ速く走っても幸せにはなれません。
「自分にとっての幸せとは?」「なぜ働くのか?」といった根本的な問いに向き合い、自分の価値観を言語化します。人生の羅針盤となる「自分の軸」を持つことで、周囲の声や流行に流されることなく、自信を持って自分の道を選び取れるようになります。
この3つの要素を整理した瞬間、私は気づきました。
手帳リフィル工房は、ただ便利な道具を売るだけの「リフィル屋さん」ではない。道具と技術、そして生きるための考え方をセットで提供し、使う人の人生を理想の未来へと導く場所なのだと・・・率直にそう思ったのです。
現在の運用―未来の自分を予約する
現在、私が大切にしているのは、手帳を「未来の自分を予約するツール」として使うことです。
朝起きてから「今日なにをしようかな?」と考えることはありません。手帳を開けば、そこには過去の私が予約してくれた「今日やるべきこと」がすでに書かれています。
私はその指示に従って、淡々と行動するだけです。意志の力も、やる気も必要ありません。ただ、手帳に書かれたことを実行するだけで、気づけば目標地点に到達している。そんな感覚です。
そこには、予定だけでなく、気づきも、反省も、未来への計画もすべて書き込まれます。
時間を「コスト」として意識し、限られた24時間を何に使うかを、手帳の上で考えるのです。
そして何より、この手帳は「世界でただ1冊、私のためだけに作られた手帳」です。
Excelで微調整を繰り返し、日付自動入力で手間を省き、自分の使い方に合わせて中身を充実させた、最強の道具です。
だからこそ、誰の手帳よりも使いやすく、私の人生を強力にバックアップしてくれるのです。
手帳遍歴は「人生を整える技術」になった
市販の手帳で挫折し、システム手帳に憧れ、A5サイズで情報を1箇所に集める重要性を知り、Excel自作と日付自動入力で道具を完成させる。
振り返ってみれば、私の手帳遍歴は遠回りの連続でした。数え切れないほどの失敗と、無駄にした手帳の山がありました。
しかし、その一つひとつの「使いにくさ」や「苦悩」が、今の私を作っています。それは単なる趣味の領域を超え、「人生を整える技術」として形になりました。
もしあなたが今、「手帳が続かない」「自分はダメだ」と落ち込んでいるのなら、どうか自分を責めないでください。
あなたが悪いのではありません。今のあなたの生活に、手帳の形が追いついていないだけなのです。そして、正しい使い方を知らなかっただけなのです。
手帳リフィル工房は、私の長い試行錯誤と失敗から生まれた場所です。ここにあるリフィルや考え方は、すべて「かつての私が欲しかったもの」です。
あなたの手帳を、あなたを苦しめるものではなく、最強の味方に変える。そのための素材とヒントを、ここに用意してお待ちしています。
さあ、あなたのための手帳作りを、ここから一緒に始めましょう。
もう、手帳選びで迷うのは終わりです。
次はあなたが、自分の人生をデザインする番です。

